プレスリリース 2019年6月16日

第19回ニッポン・コネクション日本映画祭 受賞者発表
感激の授賞式/来場者新記録: 17,000名以上の来場

 

 6日間にわたり100本以上の長編・短編映画を上映した第19回日本映画祭ニッポン・コネクションが、2019年6月2日に幕を閉じました。映画上映の外にもコンサート、ワークショップ、トークイベントといった50を超える多彩なプログラムが満員御礼となりました。期間中、フランクフルトの7カ所に及んだ会場に足を運んだ総観客者数は17,000人を突破しました。自ら作品を紹介するために、日本から映画監督、俳優、プロデューサー、アーティストといった70名以上のゲストが来独しました。

 映画祭メイン会場Künstlerhaus Mousonturmで行われた授賞式にて映画祭は幕を閉じ、映画監督で俳優の塚本晋也氏に「ニッポン名誉賞」が授与されました。映画評論家で作家のトム・メス氏がスピーチを行い、塚本氏の奇才ぶりを称えました。今年で5回目に授与される「ニッポン名誉賞」は、日本映画に対する多大な功績を挙げた人物に贈られます。今年の映画祭では、塚本監督作品『斬、』、『鉄男』、『TOKYO FIST』が上映されました。

 観客の人気投票による「ニッポン・シネマ賞」を受賞したのは、武内英樹監督の『翔んで埼玉』です。日本でも大ヒットとなったこのテンポあるコメディー作品は、フランクフルトの観客をも魅了しました。本賞は在フランクフルト・メッツラー銀行の協賛により賞金として2,000ユーロが授与されます。当行代表のヴィースホイ氏は授賞式にて、来年も引き続き本賞へ協賛することを発表しました。

 今年のニッポン・ヴィジョンズ部門では、今年初めて劇映画のみが当賞の対象となっていました。「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」を受賞したのは高橋賢成監督作品『海抜』です。高橋監督のデビュー作では罪と償いという複雑なテーマを題材としています。主人公のヒロシは高校生として同級生が強姦されるのを目撃し、時が経ってからその犯人と向き合うこととなります。当受賞作は国際的な三名の審査員、ウィーン国際映画祭のプログラム・コーディネーターのKatja Wiederspahn氏、映画学者の渋谷哲也氏、そしてプロデューサーのEric Nyari氏により選出されました。審査員は特に、高橋氏の賭けに出た姿勢と、技術的に優れている様を評価しました。高橋賢成監督は二人のプロデューサー、名取佳輝氏と田村太一氏とともに感激した様子で賞を受け取りました。賞として在東京日本映像翻訳アカデミー(JVTA)より、高橋監督の次回作品への字幕が提供されます。

 審査員からのスペシャル・メンションとなった箱田優子監督作品『ブルーアワーにぶっ飛ばす』では、強く生きる女性の描き方とキャスト陣の演技力が評価されました。

 「ニッポン・ヴィジョンズ観客賞」は田中征爾監督作品『メランコリック』が受賞しました。フランクフルト日本文化普及センターをスポンサーとする当観客賞の受賞監督には1,000ユーロの賞金が贈られました。田中監督は多くの優れたコンペティション作品の中、予想外の受賞に驚きを隠さず、場に合わない服装で来てしまったことを詫びた後、映画上映後の質疑応答にての数多くの質問をしてくれた観客へ感謝の言葉を伝えました。

 ドキュメンタリー映画を対象とし、株式会社ニコンにより1,000ユーロが賞金として与えられる観客賞「ニッポン・ドックス賞」は、今年初めての導入となりました。第一回目の受賞となったのは、イアン・トーマス・アッシュ監督作品『おみおくり~Sending Off~』です。日本を拠点としているアメリカ人映画監督、アッシュ氏の受賞は当映画祭で三回目となります。当ドキュメンタリー作品では、日本の地方で尊厳死に寄り添う医師を追っています。アッシュ監督は受賞に対し、人生の中でも難しい時期を映画に収めることを可能にしてくれた医師と患者に感謝の意を表しました。

 授賞式に引き続き、映画祭の幕を閉じる最後の映画、エリック・クー監督作品『家族のレシピ』が上映されました。当作品は6月6日から、ドイツの映画館にて上映されることが決定しています。

 また、今回のニッポン・コネクションでの重点企画:「アウトローとアウトサイダー − 映画を通してみる日本社会の境界域」にて上映された 様々な映画作品がライン・マイン地域で上映されることが決定しています。上映予定は当映画祭のホームページNipponConnection.comでご確認いただけます。

 さらに来年、第20回目となるニッポン・コネクション映画祭は、2020年6月9日~14日にKünstlerhaus MousonturmとTheater Willy Praml in der Naxoshalleにて開催され、フランクフルトが再び日本(映画)文化の中心となります。

映画祭について

 本日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約100人の主にボランティアチームから成る公益法人「ニッポン・コネクション」により運営されています。また、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏及び在フランクフルト日本国総領事館にご後援いただいております。